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2013/05/24
2012/06/03
えにしたおやか1
夢から目が覚めたのかもしれないし、まだ夢の中にいるのかもしれない。
とにかく僕は目覚めた。
白くて長い部屋にいたんだ。
わかるかい?
白くて長い。
白くて、ただ、長い。
どんな部屋かと聞かれても、そう形容するしかない部屋なのだ。
その白くて長い部屋がいったいなんのためにあって、なんのために僕がいるのかもわからなかった。
その部屋の端っこに、申し訳なさそうに、一匹の白いうさぎがいた。
正直言って、白いうさぎがそこにいるとわかるまでに、ちょっと時間がかかった。
だって白い部屋なんだ。
全てを白くしてしまいかねない白い部屋なんだ。
いいわけを言わせてもらえば、なによりも、寝起きだったんだ。
白いうさぎは眠っているのか、向こう側を向いて、動かない。
僕はまったく状況が呑み込めなかった。
反面、全てが計算された時間だった。
僕の目覚める前は、うさぎは目が覚めていて、元気に飛び回っていたかもしれない。
でももう今は死んだように眠っている。
眠っているように死んでいる。
死んでいるのか眠っているのか、こうして見ているだけでは区別がつかないんだ。でもそれを確かめるために、僕は近寄ろうとは思わない。
なぜって?って聞くかもしれない。
誰が?
さあ。
僕の話を聞いている人かな。
聞かれたとしたら、何てこたえるかな。
たぶん、こう言うと思うね。
「彼女(彼)が死んでいても眠っていても、この部屋が白くて長いのには変わりがないから」
僕は訳もなく、哀しくなった。
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