人形は不可知
人工は不自然にして自然
そして今や
自然は人工物
流れる時間に
追いつけぬ我
何処に転がる
輪っかの欠片
見つからない届かない触れられない感じられないそして見失う何か
足りないself
見上げた灰色
ソラに白星
どれほどの時越え
光降らせる
ドアがぽつんとある砂漠で回り続けるmeryy-go-roundに乗って目が回る私
フリーズプリーズ
りひとのひとりごと
流れる時間に
追いつけぬ我
何処に転がる
輪っかの欠片
見つからない届かない触れられない感じられないそして見失う何か
足りないself
見上げた灰色
ソラに白星
どれほどの時越え
光降らせる
ドアがぽつんとある砂漠で回り続けるmeryy-go-roundに乗って目が回る私
フリーズプリーズ
いま欲しいもの、案外たくさん。
うたう私。弾かれるピアノ。惹かれるピアノ。遠くの積乱雲。いつもの太陽。紅い月。空色のソラ。小さなシャンデリア。たくさんの画集と本。それを読む時間。キスしようとする兎。ガラス越しの白猫。案内をする黒猫。白いカーテン。黒い毛布。薄墨色のラグ。硝子の作業台。乾燥した深緋の空気。ドアがぽつんとある砂漠。青緑の葉っぱ。向日葵の笑顔と君の笑顔。穏やかな睡眠。のぼる螺旋。白檀の王冠。ふわふわの服。重い服。流線のステルス。そこかしこの十字。5次元ポケットをくわえる蛇が尻尾の何か。
私は欲深い人間になったようです。
思考をシンプルにしたら、たくさんの唯一存在への欲が出てきました。
矛盾の妙。
レントゲン撮影。
「何か入ってますねぇ」
「ああ…はい」
「切開しますか」
「お任せします…」
まずは麻酔を打たれます。痛いですね。
それから先生はうまい具合に手の平に切り目を入れます。更に、ペンチみたいなニッパーみたいな器具を切り口から挿し入れて、ぐりぐり進みます。
約10分経過。ひたすらぐりぐりぐりぐり…
何か当たる感触があるのに
とれなーい。
何度やっても
とれなーい!
どうやら細胞組織と癒着してしまったようです。「掴もうとしても逃げるんだよなあ」と先生が呟きます。ぐりぐりやられながら、麻酔が切れてきたのかなんなのか痛いような痛くないような重いようなやっぱり痛いような感覚だなあ、と思いつつ施術を凝ーっと見ていました。
一旦休憩して、30分後に再トライ。
今度はレントゲンを見ながらの切開です。
…10分経過
「とれた」
小さな赤い硝子でした。でもこれで終了ではありません。どうやらもうひとつ、まだ手の平に残っているらしいのです。
…5分経過
気力を使い果たし、先生のなすがままです。麻酔もほとんど切れているような気がします。
結局二つ目の小さな赤い欠片が発見されました。
記念に、と渡された赤い硝子たち。約半年も共存していたとは、人間不思議です。